腸炎ビブリオ菌は、ビブリオ属に属しているタイプで、好塩性なグラム陰性桿菌の中の一種です。生息場所が主に海水中というような変わっている細菌で、この菌で汚染されてしまったような魚介類を生で摂取することによって、人間に感染してしまい、腸炎ビブリオ食中毒が発症してしまいます。
大阪南部で発生してしまった、シラス干しによる大規模な食中毒事件(患者二百二十七名、そして死者が二十名)の原因となった菌として、その年に大阪大学の藤野恒三郎が始めて腸炎ビブリオというものを分離しました。
現在でも、八月が食中毒発生のピークとなっており、七月から九月にかけては多発するという細菌性の食中毒症状のうちの主要原因菌のひとつなのです。
日本国内においても腸炎ビブリオ菌による食中毒というのは、サルモネラ菌による食中毒の数と同じくらいの発生件数であり、発生件数が最も多い食中毒のひとつとなっています。そして、日本以外で発生が多いのは東南アジアなどの地域です。やはり、魚を生食したりする習慣があまりないヨーロッパであったりアメリカなどでは、ほとんど見ることのない疾患です。
ではその腸内ビブリオの感染源ですが、腸炎ビブリオ菌は海水の中に広く存在しているために、生鮮海産魚介類(生の魚など)を介して、経口による感染がほとんどであり、人間から人間への感染というのは非常にまれです。原因となる食品としては、イカであったり貝類などが比較的多いようですが、その他のような一般的な魚だったり、ほとんどの海産魚介類を生食することが原因となってしまいます。
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