黄色ブドウ球菌は、歴史的に見てみると一八七八年にKochという人が膿汁の中で発見したものです。そして、その二年後にPasteurという人がその培養することに成功したと言われています。数多くあるブドウ球菌の中でも黄色ブドウ球菌は特に、化膿巣形成であったり敗血症などといったような多彩な臨床症状が引き起こされます。
特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌という菌は、病院での院内感染であったり手術後にMRSA腸炎という病気の原因となることがあり、とても重要で怖い問題のひとつであるといえます。
ブドウ球菌による食中毒の原因は、黄色ブドウ球菌が食品の中で増殖していく時に放出するエンテロトキシンという有毒な物質を、食品と一緒に摂取してしまうことによって引き起こされる毒素型食中毒の一種です。
この、エンテロトキシンという物質は分子量が二万七千前後である単純蛋白質の物質で、トリプシンなどといった消化酵素であったり熱などに対しては抵抗性を持っていて、抗原性の違いで分類され、現在ではA型からL型までの種類が報告されています。また、エンテロトキシンの中にはT細胞が特異的な活性をさせてしまい、短時間の内に非常に多くの種類のサイトカインという物質を大量に発生させてしまう作用を持っており、細菌性スーパー抗原などとも呼ばれています。
人間がエンテロトキシンによって症状が発生するのに必要な量というのは、エンテロトキシンのBでは二十五から五十μgであるというように考えられています。
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